ドグマチールじゃ無理だと思う。
そもそもドグマチールは抗不安薬でも睡眠導入剤でも無いカテゴリー違いの薬物で、デパスの様に即効性のある多幸感は得られないと言われています。その分、依存性も低いと思われますが、デパスには無い身体的副作用も沢山あります。個人輸入でデパスの替わりにドグマチールを使用しようというのは余りにハイリスク・ローリターンだと思います。
デパス(エチゾラム)やアモバン(ゾピクロン)が『向精神薬および麻薬取締法』で規制される「向精神薬」となり個人で輸入は出来なくなりました。
現在規制されていない薬物でデパス並みに即効性のある抗不安薬はありません。
以下の様に個人輸入業者さんも認めています。
くすりマート.com「デパスの代わりとなる薬は個人輸入できるのか」
https://www.kusurimart.com/mental0000002
業者さんが「強いて挙げるとするならば」と前置きした上で名前を挙げているのがドグマチール(スルピリド)です。
ドグマチールってなんなのか?
医療保険の適応上はドグマチール(スルピリド)の効能は下記の通りとなります。
- 胃・十二指腸潰瘍
- うつ病・うつ状態
- 統合失調症
一番上に消化器系の病名が来る事からも解る通り元々は「胃・十二指腸潰瘍」治療薬として発売された薬品が、後から「うつ病・うつ状態」や「統合失調症」の治療薬として認められたものです。
現代では胃潰瘍に対してはH2ブロッカーやプロトンポンプ阻害薬などの即効性の有る優れたクスリが開発されているので、胃潰瘍に対するファーストチョイスとしては余り用いられていない様です。
抗うつ効果については個人差はありますが、クスリの効き初めというか立ち上がりは早い様です。そこそこ早く効いてくれて意欲を上げ食欲も上げるので、抑うつ的になっていて食も細くなっているような状態の人には良く合う事が有るようです。
ただ三環系や四環系を初め、新し目のSSRIやSNRI・NaSSa等の本格的抗うつ剤に比べると効果は不十分で副作用も多いため「日本うつ病学会による治療ガイドライン」上も推奨はされていないようです。
ドグマチールの副作用とは
ホルモン異常(プロラクチンというホルモンが過剰になる)が起こりやすく、よく起こる副作用として以下の様な物が上げられています。
- 乳汁分泌や乳腺が張る(男性でも起こる事がある)
- 生理が止まる。
- 食欲が増進して体重が増加する
以上の様な副作用から特に若い女性からは不評な薬品の様です。
医療現場でのドグマチールの使われた
比較的軽症で食欲不振も伴っている様な場合はこのクスリが奏功する場合が有る様です。まずドグマチールを処方して様子を見るという事も行われるようです。しかしそれで効果が出るのも基本的にはキチンと医師が診立てて使用する場合になります。
デパスが無いと生活に支障を来すレベルであれば出番はなさそうな薬物なので、このクスリの輸入を検討する位なら素直に医療機関へ受診したほうが良いでしょう。
長期にわたるベンゾジアゼピン系の連用状態ではアルコールの連用と同様にビタミンB群が枯渇している可能性も示唆されています。気休めくらいにコンビニ・ドラッグストアで購入できるビタミンB群を購入してみるのも良いかもしれません。
最後に他のもっと危ないクスリを紹介しない分だけちょっとだけ輸入業者さんに良心を感じます。